「何年もコルセットを頑張ったのに、思ったほど真っすぐにならなかった」
伊丹市で側弯症の相談を受けていると、そんな思いを聞くことがあります。毎日の生活に装具を取り入れるのは、簡単なことではありません。だからこそ、レントゲンの角度が変わっていないと「意味がなかったのかな」と感じてしまうのも、無理はないと思います。
ただ、ここで知っておいてほしいことがあります。
側弯症のコルセット治療は、「背骨が真っすぐになったか」だけで評価するものではありません。
今回は、主に成長期の思春期特発性側弯症で使われる医療用のコルセットについてお話しします。市販の姿勢ベルトや補正下着とは別のものです。
目次
大切な目的は、成長期の進行を抑えること
成長期の側弯症では、成長がどれくらい残っているか、カーブがどの程度かなどを踏まえて、装具療法が検討されます。すべての子どもにコルセットが必要なわけではありません。
装具が必要と判断された場合、その主な目的は、カーブがさらに大きくなるのを抑えることです。Scoliosis Research Societyも、装具の目的を進行の抑制と、将来の脊椎固定術を回避することとして説明しています。[参考:SRS「Bracing」](https://www.srs.org/Patients/Diagnosis-And-Treatment/Bracing)
つまり、身長が伸びる数年間を通して、大きな進行を認めずに過ごせたのであれば、それは治療を評価するうえで大切な結果です。
「角度が小さくならなかった」と「治療の意味がなかった」は、同じではありません。
ただし、角度が変わらなかった人すべてに「コルセットのおかげで進まなかった」と断定できるわけでもありません。治療前の経過や成長段階も含めて、主治医と振り返ることが大切です。
装具を着けた時の角度と、外した時の角度は分けて考える
「コルセットを着けたレントゲンでは角度が小さかったのに、外して撮ったら戻っていた」
こう聞くと、治療がうまくいっていないように感じるかもしれません。
でも、装具を着けた撮影は、装具の中でどのように補正されているかを確認するものです。外した状態での撮影とは、見ている条件が違います。装着中に小さくなった角度が、そのまま定着するとは限りません。
[参考:Seattle Children’s「Scoliosis TLSO Brace: What to Expect」](https://www.seattlechildrens.org/pe/orthotics-prosthetics/scoliosis-tlso-brace/)
診察では「今回の角度は、前回のどの画像と比べていますか?」と聞いてみてください。数字だけより、経過を理解しやすくなります。
撮影前に装具を外す必要があるか、いつ外すかは医療機関の指示に従ってください。比較のために、自分で装着時間を変える必要はありません。
結果だけで、本人の頑張りを採点しない
装具療法では、指示された装着時間を守ることが重要です。一方で、適切に治療していても進行する場合があり、装具は結果を必ず保証するものではありません。[参考:BrAIST研究](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24047455/)
だから、角度が増えた時に「ちゃんと着けなかったから」と決めつけないでほしいのです。
まず確認したいのは、今の装具が身体に合っているか、実際にどの場面で着けにくかったか。学校での着替えがつらいのか、痛くて眠れないのかでは、必要な対応も違います。
強い痛みやしびれ、皮膚の傷、息苦しさがある時は、我慢で乗り切ろうとせず、主治医や義肢装具士へ相談してください。装具の削り直しやパッドの変更なども、自宅では行わないようにしましょう。
[参考:Royal Orthopaedic Hospital「Spinal Brace」](https://roh.nhs.uk/services-information/spines/spinal-brace)
次の診察では、この3つを聞いてみてください
治療の評価が分からず不安な時は、次の質問が役立ちます。
1. 「治療を始めた時から見ると、今の経過はどう評価できますか?」
2. 「成長はどれくらい残っていて、今後の目標は何ですか?」
3. 「装着時間や装具の調整、次の検査で確認することはありますか?」
「何度でしたか」で診察を終えるより、「この結果をどう受け止めたらいいか」まで分かると、帰宅後の不安も整理しやすくなります。
角度が安定しているからといって、自己判断で装具をやめたり、経過観察を中断したりはしないでください。続け方や終了時期は、主治医と相談して決めていきます。[参考:NIAMS「Scoliosis in Children and Teens」](https://www.niams.nih.gov/health-topics/scoliosis/diagnosis-treatment-and-steps-to-take)
伊丹市の整体院として大切にしていること
兵庫県伊丹市のいたみいろどり整体院では、側弯症の方の呼吸や胸郭、股関節、日常の身体の使い方も確認しています。ただし、それが装具療法の代わりになるわけではありません。
装具の適応や装着時間、進行の有無を判断するのは医療機関です。また、痛みや身体機能についても病院やリハビリで相談できます。「病院は角度だけ、整体院は動きだけ」と、きっぱり分かれるものでもありません。
当院では主治医の方針を尊重しながら、生活の中で困っていることを整理し、無理のない身体の使い方を一緒に考えます。
「変わらなかった」の意味を、一緒に確認しましょう
コルセットを続けた時間を、最後の角度だけで「無駄だった」と片づけてほしくありません。
もちろん、見た目への悩みや「もっと良くなってほしかった」という気持ちまで、なくさなくて大丈夫です。その気持ちと、治療としてどうだったかは、分けて話していいと思います。
真っすぐになったかだけでなく、成長する間にどんな経過をたどったか。
そこを主治医と確認することが、これまでの治療と、これからの過ごし方を考える手がかりになります。
当院の考え方は、[いたみいろどり整体院の側弯症ページ] (https://itami-irodori-seitai.com/scoliosis_method/)でもご案内しています。
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※この記事は一般的な情報です。装具の使い方や運動の可否、検査の時期は、主治医の指示を優先してください。
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