側弯症のお子さんを見る時に、背骨の角度や姿勢ばかり気にしていないでしょうか。
もちろん、Cobb角やレントゲンで現在の状態を確認することは大切です。
一方で、僕は普段の食事や睡眠、疲れ方も一緒に見るようにしています。
その中でも、家庭で確認しやすいのが朝ごはんです。
「側弯症の子は、朝ごはんを食べた方がいいんですか?」
と聞かれることがあります。
先にお伝えすると、朝ごはんを抜くことが側弯症の原因になるわけではありません。朝食を食べれば側弯症が治る、という話でもありません。
ただ、成長期のお子さんにとって、朝食を含めた一日の食事は、活動するためのエネルギーや身体を作る栄養を摂る機会になります。
朝から食事がほとんど入らない状態が続いているなら、側弯症の角度とは別に、成長や学校生活に必要な量が足りているかを一度確認してみてもよいでしょう。
## 側弯症と朝ごはんは、分けて考えることが大切です
側弯症は、背骨が左右に弯曲し、ねじれを伴うことがある状態です。
側弯症の有無やカーブの程度は、姿勢や食事だけでは判断できません。整形外科での診察やレントゲン検査、Cobb角などを含めて確認します。
一方、朝ごはんを食べているかどうかは、側弯症の診断とは別の話です。
朝食を抜いたから背骨が曲がる。
朝食を食べたからカーブが小さくなる。
このように結びつけることはできません。
ただし、朝食を含む食事全体が少ない状態では、疲れやすさ、集中しづらさ、運動後の回復など、日中の過ごし方に影響することがあります。
身体がつらそうな時に、姿勢だけを注意しても解決しない場合があります。食事、睡眠、活動量、体調をまとめて見ていくことが大切です。
目次
成長期の身体は、朝からエネルギーを使います
成長期は、身長や体重が変化し、筋肉や骨格も発達していきます。
学校へ行き、体育や部活動で身体を動かし、勉強にも集中する。朝からいろいろな活動が始まります。
そのため、朝ごはんを食べることは、一日の食事全体を整えるきっかけになります。厚生労働省も、年齢や性別などに応じて必要なエネルギーや栄養素の量が変わることを示しています。
ただし、朝食を一度抜いたから問題があるわけではありません。
前日に寝るのが遅かった、朝は食欲が出ない、体調が悪い、時間がない。朝ごはんを食べられない理由は、お子さんによって違います。
大切なのは、抜いていることを責めることではなく、何日もほとんど食べられていない状態になっていないかを見ることです。
こんな朝ごはんになっていないか確認してください
次の項目がひとつ当てはまっただけで、栄養不足と決めつける必要はありません。
ただ、いくつも重なっている場合は、一日の食事量を見直すきっかけになります。
– 朝ごはんを食べない日が多い
– 飲み物だけで学校へ行くことが多い
– パンやお菓子だけで終わることが続いている
– 朝は食欲がなく、昼や夜も食事量が少ない
– 部活動の後に何も食べずに寝てしまう
– 以前より疲れやすくなっている
– 体重が意図せず減っている
パンだけの日があること自体が悪いわけではありません。パンに卵やヨーグルト、牛乳、果物などを組み合わせると、朝食に取り入れられる食品の種類を増やせます。
食事は一食だけで評価するのではなく、一日全体で見てください。
朝ごはんは、完璧でなくて大丈夫です
朝から何品も用意しようとすると、親御さんもお子さんも続けにくくなります。
まずは、食べられる形で少しずつ整えてみてください。
たとえば、次のような組み合わせです。
– ごはんに卵や納豆、みそ汁を添える
– パンにゆで卵やヨーグルト、果物を組み合わせる
– おにぎりに牛乳や豆乳を添える
– 食欲がない日は、ヨーグルトや卵料理など少量から始める
卵、魚、肉、大豆製品、乳製品などは、タンパク質を含む食品です。
毎朝すべてを揃える必要はありません。家庭の状況やお子さんの好みに合わせて、食べられるものを選んでください。
朝に食べる量が少ない場合は、学校から帰った後や部活動の前後に補食を入れる方法もあります。
食べられないものを無理に食べさせるより、何なら口にできるのかを探す方が現実的なこともあります。
食欲がない理由も見てください
朝ごはんを食べないお子さんに、「ちゃんと食べなさい」と言うだけでは、うまくいかないことがあります。
なぜ食べられないのかを考えてみてください。
– 夜寝る時間が遅く、朝起きられない
– 起きてから家を出るまで時間がない
– 朝は胃が重く感じる
– 学校や部活動のことで不安がある
– 口の中やお腹の調子が悪い
– 体重を増やしたくないと思っている
– 食べること自体に強い不安がある
理由によって、必要な対応は変わります。
睡眠を整えるだけで朝の食欲が変わる子もいますし、朝食ではなく補食から始めた方がよい子もいます。
食べる量を無理に増やすのではなく、お子さんの様子を聞きながら進めてください。
疲れやすさを姿勢だけの問題にしないこと
側弯症のお子さんが、
「朝から身体が重い」
「授業中に集中できない」
「部活動の後にぐったりしている」
「姿勢を保つのがしんどい」
と感じている場合があります。
これらは、側弯症の影響だけでなく、睡眠不足、活動量、ストレス、食事量、貧血など、いろいろな要因で起こります。
背中が丸くなるからといって、すぐに筋力不足と決めつけないことが大切です。
食事が少ない、体重が減っている、顔色が悪い、めまいや息切れがある、月経が大きく乱れている。このような場合は、朝ごはんの工夫だけで様子を見ず、小児科などの医療機関へ相談してください。
側弯症の経過観察中も、食事だけで判断しないでください
経過観察中のお子さんは、定期的にレントゲンなどで状態を確認します。
朝ごはんを食べているかどうかは、側弯症の進行を判断する検査ではありません。食事を整えたから、カーブの進行が止まるとも言い切れません。
病院で経過観察と言われている場合は、案内されている受診や検査の時期を優先してください。
そのうえで、普段の様子を記録しておくと役に立つことがあります。
– 朝食を食べられたかどうか
– 一日の食事量が以前と変わっていないか
– 疲れやすさや眠気があるか
– 部活動や体育の後にどのくらい疲れるか
– 体重や月経、体調に変化がないか
これは、側弯症の角度を家庭で判断するためではありません。お子さんの生活全体を、医療機関や専門家に伝えるためのメモです。
こんな時は早めに相談してください
次のような場合は、タンパク質や朝食を工夫するだけで長く様子を見ないことをおすすめします。
– 食事がほとんど摂れない状態が続いている
– 体重が意図せず減っている
– 強い疲れ、めまい、息切れがある
– 顔色が悪い、立ちくらみが多い
– 月経が止まった、または大きく乱れている
– 食べることや体重への不安が強い
– 食後の腹痛や吐き気が続いている
– 学校検診や整形外科で受診をすすめられている
食物アレルギー、腎臓の病気、服薬、食事制限などがある場合も、自己判断で食品やサプリメントを増やさず、医師や管理栄養士に確認してください。
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「側弯症の経過観察中だけど、普段の生活で何を見ればいいか分からない」
「朝から身体が重そうで、姿勢を保つのがつらそう」
「食事や睡眠も含めて、子どもの身体を見直したい」
このような場合は、朝ごはんを食べられないことだけを責めず、睡眠、食欲、活動量、疲れ方をまとめて見てみてください。
当院で確認できるのは、身体の使い方や日常生活での左右差です。側弯症の診断、Cobb角の確認、栄養状態の評価や食事指導、経過観察・装具などの治療方針については、整形外科や小児科、管理栄養士など専門機関での確認が基本です。
朝ごはんは、側弯症を治すための特別な方法ではありません。
でも、成長期の身体が一日を始めるために、食事や体調を見直すきっかけにはなります。
無理なく食べられるものから、少しずつ整えていきましょう。
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※この記事は、側弯症の診断や治療、栄養状態の評価を行うものではありません。朝ごはんを食べることだけで側弯症が治るわけではなく、朝食を抜くことだけで側弯症の進行を判断することもできません。食事が摂れない、体重減少、強い疲れ、めまい、息切れ、月経の乱れ、食事への不安などがある場合は、自己判断せず医療機関や管理栄養士へご相談ください。
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