側弯症のお子さんを見る時、肩の高さや背中の盛り上がり、病院で確認したレントゲンの角度を気にする方は多いと思います。
もちろん、これらは大切な確認ポイントです。
ただ、日常生活の様子を見ていると、意外に見落とされやすいのが「寝ている間の身体の動き」です。
その一つとして、今回は寝返りについて考えてみます。
先にお伝えしておきたいのは、寝返りの回数だけで側弯症の有無や進行を判断することはできないということです。寝返りが少ないから側弯症になる、寝返りを増やせば側弯症が改善する、という単純な話でもありません。
それでも、朝起きた時の身体の状態や、いつも同じ向きで寝ているかどうかを確認することは、日常の負担に気づくきっかけになります。
目次
寝返りは、身体が姿勢を変える自然な動き
寝返りは、寝ている間に姿勢を変えたり、同じ場所にかかる圧を逃がしたりする、自然な動きの一つです。
ただし、寝返りの多さには個人差があります。年齢、疲れ方、寝具、室温、睡眠の深さ、その日の活動量などでも変わります。一晩の様子だけで「寝返りが少ない」と決めつける必要はありません。
側弯症がある場合は、背骨だけでなく、肋骨や胸郭、骨盤、股関節の動きに左右差が出ていることがあります。そのため、同じ姿勢で長く過ごした後に、片側の背中や腰が張る、起き上がりにくいなどの違和感が出ることはあります。
ただし、これらの症状は側弯症だけで起こるわけではありません。寝具が合っていない、運動量が多かった、睡眠不足がある、別の筋肉や関節に負担があるなど、複数の要因が考えられます。
側弯症のお子さんに見られることがある朝のサイン
朝、次のような様子が続いていないかを確認してみてください。
– 起きた時にいつも同じ側の背中が張っている
– 腰が伸びるまで時間がかかる
– 布団から起き上がる時に身体が重そうに見える
– 首や肩のこりを訴える
– 深呼吸をすると、胸や肋骨が動かしにくそうに感じる
– 寝る向きがいつも同じように見える
ここで大切なのは、できているか、できていないかを評価することではありません。
「朝はどこがつらい?」
「起きてしばらくすると楽になる?」
と、お子さんの感覚を聞いてみることです。
子どもは、痛みや違和感をうまく言葉にできないこともあります。「重い」「動かしにくい」「なんとなく嫌」という表現でも、日常の変化を知る手がかりになります。
寝返りだけでなく、胸郭・股関節・体幹の動きを見る
寝返りが少ないように見える時、すぐに「身体が硬い」と決めつける必要はありません。
身体を横へ向けるには、胸郭の回旋、骨盤の動き、股関節の回旋、体幹の力の抜き方などが関係します。どこかに動かしにくさや痛みがあると、本人は無意識にその動きを避けていることもあります。
また、呼吸が浅い、背中に力が入りやすい、日中も片側へ体重をかけている、といったことが重なっている場合もあります。
家庭で原因を特定することはできませんが、次のようなことは観察できます。
– 左右どちらへ向く時も同じように動けるか
– 起き上がる時に、いつも同じ側から動くか
– 日中の立ち方や座り方にも左右差があるか
– 深呼吸をした時に、息苦しさや痛みがないか
– 部活や体育の後に、朝の張りが強くなっていないか
深呼吸や動作の確認は、痛みのない範囲で行ってください。無理に身体をひねったり、寝返りを練習させたりする必要はありません。
家庭でできる4つの確認
1. 朝の状態を聞く
起きた直後の背中、腰、首、肩の状態を聞きます。痛みの有無だけでなく、動かしやすさや疲労感も記録すると、変化が分かりやすくなります。
2. 寝る向きを無理なく把握する
毎晩見張る必要はありません。自然に確認できる範囲で、いつも同じ向きにいるように見えるかを数日間観察します。途中で起こしたり、親が身体を動かしたりする必要はありません。
3. 寝具の「合う・合わない」を聞く
枕やマットレスは、全員に同じものが合うわけではありません。首が痛くないか、暑すぎないか、寝返りがしにくくないかなど、本人の感覚を聞きます。急に寝具を何度も変えるより、まずは一つずつ確認する方が変化を追いやすくなります。
4. 3日から7日ほど簡単に記録する
「寝た時間」「起きた時間」「朝の張り」「前日の運動量」「いつもと違うこと」だけでも十分です。経過観察中で整形外科を受診する場合、この記録が日常の様子を伝える材料になることがあります。
寝姿勢を無理に直す必要はありません
側弯症のお子さんに対して、「この向きで寝ればよい」「必ず寝返りを増やすべき」と一律に決めることはできません。
装具を使用している、手術後である、神経や筋肉の病気がある、医師や理学療法士から姿勢の指示を受けている、といった場合は、その指示を優先してください。
また、痛みがあるのに無理に寝返りをさせたり、強く背中や首を伸ばしたりすることも避けた方がよいでしょう。睡眠は、本人が安心して休めることが基本です。
こんな時は医療機関へ相談してください
次のような場合は、寝返りだけの問題と考えず、整形外科や小児科などへ相談してください。
– 朝の痛みや張りが何日も続く、または強くなっている
– 夜間に痛みで目が覚める
– 手足のしびれ、力の入りにくさ、歩きにくさがある
– 息苦しさや呼吸のしづらさがある
– 急に姿勢や歩き方が変わった
– 発熱、強いだるさ、体重減少などほかの症状がある
– 側弯症の経過観察中で、普段と違う変化が出ている
側弯症の診断やCobb角の変化は、家庭での寝姿勢や寝返りでは判断できません。日本整形外科学会も、側弯症は身体の左右差だけでなく、レントゲンなどを用いて確認するものと説明しています。
伊丹市で側弯症の身体の使い方を確認したい方へ
兵庫県伊丹市のいたみいろどり整体院では、側弯症や経過観察中のお子さんについて、背骨だけでなく、胸郭、呼吸、骨盤、股関節、足元、歩き方、日常動作まで含めて確認しています。
「朝起きた時だけ背中が張る」
「いつも同じ向きで寝ているように見える」
「寝起きの動きに左右差がある」
このような時も、寝返りだけで原因を決めるのではなく、日中の姿勢や動き、疲労の出方と合わせて見ていきます。
当院で確認できるのは、身体の使い方や日常動作の左右差です。側弯症の診断、Cobb角の測定、進行の判断、治療方針の決定は、整形外科での診察や検査が基本です。病院で経過観察と言われている方は、指定された受診時期を優先してください。
側弯症は、立っている時だけの問題ではありません。座る、歩く、運動する、眠る。毎日の時間を通して、身体の状態を観察できます。
寝返りを無理に増やすことよりも、朝の身体がどんなサインを出しているかに気づくことから始めてみてください。
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