側弯症で「深呼吸してみて」と伝える理由|伊丹市の整体院が解説

「背骨のことを相談しているのに、どうして呼吸を見るんですか?」

そう思う方もいるかもしれません。側弯症のお子さんの身体を見る時、僕は「ゆっくり息を吸ってみて」と声をかけることがあります。

見たいのは、どれだけ大きく息を吸えるかだけではありません。息を吸った時に胸まわりがどう動くか、力まず呼吸できているか、本人が苦しさを感じていないか。そこにも、身体の使い方を考えるヒントがあります。

今回は、兵庫県伊丹市のいたみいろどり整体院で大切にしている「呼吸を見る視点」をお伝えします。

側弯症は、肋骨や胸郭の形にも関係します

側弯症では、背骨の横方向のカーブに加えて、ねじれを伴います。特に胸椎の側弯では、肋骨の位置にも左右差が現れ、背中の片側が盛り上がって見えることがあります。Scoliosis Research Societyの解説

肋骨や胸骨、胸椎などでつくられる胸まわりを「胸郭」といいます。呼吸では、横隔膜や肋骨の間の筋肉などが働き、胸の中の空間が広がることで肺に空気が入ります。米国国立心肺血液研究所の解説

そのため、背中の形だけでなく、息を吸う・吐く時の胸郭の動きも確認したいのです。

例えば、片側の肋骨の動きが目立つ、肩を持ち上げるように吸う、息を吐く時にも首や肩の力が抜けにくい。そんな様子が見えることがあります。

ただし、これらを一つ見つけたからといって、異常と決めつけるわけではありません。普段の姿勢や、その時の緊張、本人の感じ方も一緒に聞きます。

「どこに空気が入るか」は、動きを伝えるための表現です

呼吸の練習では、「背中にも息が入る感じはある?」「脇のあたりは広がる?」といった言葉を使うことがあります。

これは、胸郭の動きや感覚を分かりやすく伝えるための表現です。空気が背中の筋肉やお腹に入る、という意味ではありません。

手を当てて分かるのは、主に身体の表面の動きです。左右の肺に入る空気の量を測っているわけではありません。

「左の動きが小さいから、左の肺が働いていない」と心配する必要はありませんし、その観察だけで肺の状態を判断することもできません。

僕が知りたいのは、本人がどのように動きを感じ、どんな時に力みやすいのか。そこから、必要な確認や運動の相談につなげていきます。

自宅では、頑張って深く吸う前に普段の呼吸を

ご家庭で確かめるなら、体調が落ち着いている時に、楽な姿勢で座ってみてください。背筋を無理に伸ばしたり、お腹に力を入れ続けたりする必要はありません。

  1. まずは普段通り、力まずに数回呼吸する。
  2. 本人が嫌でなければ、自分の手を服の上から下の肋骨の横あたりへ軽く添える。
  3. 左右の動きの感じ方や、首・肩の力み、苦しさの有無を確かめる。

「今日は右の方が動きを感じやすい」「左右の違いはよく分からない」。そのくらいの感想で十分です。正解を出すためのテストではありません。

手の位置が違えば、感じ方も変わります。小さな差を探し続けたり、動きにくい側を押したり、無理に大きく吸わせたりしないでください。めまいや痛み、息苦しさが出たら、確認は中止します。

呼吸練習は、本人に合う方法を考えることが大切です

側弯症に合わせた運動療法の一つであるシュロス法でも、呼吸は運動の一部として使われます。姿勢やカーブの特徴に合わせて行うため、学ぶ際は、その方法の訓練を受けた担当者による指導が大切です。Johns Hopkins Medicineの解説

こうした練習では、呼吸に伴う胸郭の動きを意識することも扱います。ただ大きな呼吸を何回も繰り返すことと、同じではありません。

また、ここで紹介した自宅での観察は、シュロス法そのものではありません。「動きが小さい方へ、たくさん吸い込めばいい」と自己判断せず、どの姿勢で何を練習するかを担当者と確認してください。

運動の後に呼吸が楽に感じられても、それだけで背骨の角度が改善したとは判断できません。身体の感じ方と、側弯症の経過は、それぞれ確かめていきます。

息苦しさを「側弯症だから」で済ませないでください

側弯症があるからといって、必ず呼吸機能が低下するわけではありません。思春期特発性側弯症で息苦しさがある場合は、別の原因も含めて評価することが大切です。Scoliosis Research Societyの解説

普段の生活でも息切れする、以前より苦しくなった、咳や胸の痛みがある。そんな時は、呼吸練習だけで様子を見ず、小児科や主治医に相談してください。

急に強く息苦しくなったり、会話が難しいほど苦しかったりする場合は、救急受診を優先してください。息苦しさの受診目安

経過観察中も、身体の変化と本人の気持ちを一緒に

病院で経過観察と言われている場合も、呼吸の見え方だけで受診の必要性は判断できません。Cobb角や成長の状態は、主治医の方針に沿って確認してください。

そのうえで、「部活の後はどう?」「息を吸う時、痛いところはない?」と、日常で困っていることを聞いておく。それが診察や運動指導の時に役立つことがあります。

子どもの呼吸を見て、「もっと吸って」「左右をそろえて」と注意し続ける必要はありません。僕は、身体のことを安心して話せることも大事だと思っています。

伊丹市で側弯症のご相談をお考えの方へ

いたみいろどり整体院では、必要な医療での確認を続けながら、呼吸時の胸郭の動き、股関節や足元の使い方、学校生活や運動で困る場面も伺います。

「深呼吸してみて」と伝えるのは、たくさん吸わせたいからではありません。お子さんの身体がどう動いているのか、本人がどう感じているのかを知りたいからです。

背骨の状態と、日々の過ごしやすさ。その両方を大切にしながら、一緒に考えていきます。

詳しくは、いたみいろどり整体院の側弯症ページをご覧ください。

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