側弯症を抱えている高校生のお子さんから、
「Cobb角は25度です。でも痛くて、椅子に座って勉強できません」
という相談がありました。
詳しく聞くと、途中で横にならなければ続けられない。腰も痛い。最近は腕や足にもしびれを感じるとのことでした。
このような場合、最初にお伝えしたいのは、**勉強姿勢やセルフケアを工夫する前に、整形外科で早めに確認してほしい**ということです。
腕や足のしびれは、「側弯症だから仕方ない」と決めつける症状ではありません。特に、新しく出た、広がっている、力が入りにくい、歩きにくいといった変化があれば、次の経過観察日を待たず主治医や整形外科へ相談してください。
目次
「25度だから軽い。大丈夫」とは限りません
Cobb角は、側弯症のカーブをレントゲン上で評価するための大切な指標です。
しかし、Cobb角と本人が感じる痛みの強さは、必ずしも一致しません。
角度が比較的小さくても、長時間座ると背中が張る、片側の腰に痛みが出る、疲れると姿勢を保ちにくいという方はいます。
反対に、角度が大きくても、強い痛みを感じない方もいます。
そのため、
「25度だから、この痛みは大したことがない」
「角度が軽いから我慢できるはず」
と考えるのは適切ではありません。
見るべきなのは角度だけではなく、痛みで何ができなくなっているかです。
– 何分座れるか
– 学校の授業を受けられるか
– 途中で横になる必要があるか
– 夜眠れているか
– 腕や足にしびれがないか
– 歩き方や力の入り方が変わっていないか
ここまで含めて、医師へ伝える必要があります。
腕や足のしびれを側弯症だけで説明しない
思春期特発性側弯症は、多くの場合、手足のしびれや筋力低下などの神経症状を伴いません。
しびれには、首や腰の神経、末梢神経、けが、内科的な問題など、さまざまな原因があります。
腕と足の両方に出ている場合や、症状が広がっている場合は、なおさら自己判断を避けてください。
診察では、しびれる場所、感覚、筋力、反射、歩き方などを確認し、必要に応じて画像検査などが検討されます。MRIが必要かどうかも、症状と診察所見をもとに医師が判断します。
整体やストレッチで様子を見ることを先にせず、まず医療機関で原因を確認することが大切です。
すぐに医療機関へ相談したい変化
次のような場合は、早めに整形外科へ相談してください。
– 今までなかったしびれが出た
– しびれる範囲が広がっている
– 痛みやしびれが繰り返す、または続いている
– 手や足に力が入りにくい
– 物を落とす、細かい作業がしにくい
– つまずく、歩きにくい
– 夜間や安静時も強く痛む
– 発熱や原因不明の体重減少を伴う
特に、
– 両脚のしびれや急な筋力低下
– 立てない、歩けない
– お尻や股の周囲の感覚がおかしい
– 尿が出にくい、漏れるなど排尿・排便の変化
– 強い胸痛や呼吸困難
がある場合は、救急外来の受診や救急要請を含め、緊急の医療評価が必要になる可能性があります。
受診までに記録しておきたいこと
診察では「しびれます」だけでなく、次の内容を伝えると整理しやすくなります。
– いつから始まったか
– 腕や脚のどこに出るか
– 片側か両側か
– 何分くらい続くか
– 座る、立つ、歩くなど何をすると出るか
– 力の入りにくさがあるか
– 痛みで学校生活にどの程度影響しているか
– これまでのレントゲン、Cobb角、次回受診日
– 装具を使用しているか
無理にしびれを再現する動きを試したり、首や腰を強く曲げたりする必要はありません。
受診と並行して、勉強方法を変えてよい
医療機関へ相談することと、今の痛みに合わせて勉強方法を変えることは両立できます。
「2時間続けて座れないと勉強にならない」
と考える必要はありません。
例えば、
1. 痛みが強くなる前に20〜30分で区切る
2. 一度立って数歩歩く
3. 楽な姿勢で短く休む
4. また座って取り組む
という方法があります。
20〜30分は一例です。10分で症状が出るなら、それより前に姿勢を変えます。
痛みを我慢できる限界まで座るのではなく、症状が強くなる前に短く休む方が、結果的に学習時間を確保しやすくなることがあります。
「真っすぐ座る」ことを目標にしすぎない
痛みがある子どもに、
「背筋を伸ばして」
「姿勢が悪いから痛い」
と言い続けると、腰を反らせたり、肩や首を固めたりして、かえって疲れることがあります。
大切なのは、見た目に真っすぐな姿勢を長時間保つことではありません。
痛みが少なく、呼吸ができ、姿勢を時々変えられることです。
左右差を無理に消そうとせず、同じ姿勢で耐える時間を減らしてください。
机と椅子を整える
勉強環境では、次の点を確認します。
– 両足が床または足台につく
– 椅子が高すぎたり低すぎたりしない
– 机が高すぎて肩が上がらない
– 教科書や画面が低すぎず、身体を強く丸めない
– 背中を必要に応じて支えられる
– 教材へ手を伸ばし続けなくてよい
一つの姿勢を固定するための環境ではなく、座る、少し立つ、場所を変えるといった選択ができる環境にします。
学校へ相談してもよいこと
痛みで授業や試験に支障が出る場合は、本人だけで抱え込まないでください。
主治医へ相談したうえで、学校には、
– 授業中に短く立つこと
– 休み時間に横になれる場所
– 椅子や机、座席位置の調整
– 重い教材の持ち運びへの配慮
– 定期試験中の姿勢変更や休憩
– 体育や部活動の一時的な調整
などを相談できる場合があります。
必要であれば、診断書や学校生活管理に関する書類について医師へ確認してください。
痛みに耐えることを努力にしない
側弯症だから痛みがあるのは仕方ない。
高校生だから勉強のために我慢しなければならない。
そう考えないでください。
途中で姿勢を変えることや、横になって休むことは怠けではありません。
一方で、横になれば一時的に楽になるからといって、しびれの評価まで先延ばしにしないことも大切です。
まず原因を医療機関で確認する。そのうえで、その子が学校生活や勉強を続けられる方法を一緒に考えましょう。
伊丹市で側弯症による学校生活のお悩みがある方へ
兵庫県伊丹市のいたみいろどり整体院では、整形外科で側弯症と診断された子どもや、経過観察中の方について、座り方、呼吸、胸郭、骨盤、股関節、足元などを確認しています。
ただし、手足のしびれ、筋力低下、歩行の変化がある場合は、整体院で様子を見ず、まず整形外科で確認してください。
整体院では神経症状の原因診断、MRIの必要性、側弯症の進行判定はできません。医療機関で必要な評価を受けたうえで、日常動作や勉強環境について考えることが大切です。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。新しいしびれ、筋力低下、歩行や排尿・排便の変化がある場合は、医療機関へご相談ください。
### 参考資料
– [日本整形外科学会「側弯症」](https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/scoliosis.html)
– [日本整形外科学会「しびれ(上肢のしびれ)」](https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/paralysis_of_arm.html)
– [日本整形外科学会「しびれ(病気によるもの)」](https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/paralysis.html)
– [Scoliosis Research Society「Adolescent Idiopathic Scoliosis」](https://www.srs.org/Patients/Conditions/Scoliosis/Idiopathic-Scoliosis)
– [NHS「Back pain」](https://www.nhs.uk/conditions/back-pain/)
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