側弯症と診断された子どもの親御さんから、よく聞かれることがあります。
「部活は続けても大丈夫ですか?」
「片側をよく使う競技はやめた方がいいですか?」
心配になるのは当然ですが、側弯症だからという理由だけで、すべてのスポーツを禁止する必要があるとは限りません。
一般的には、痛みがなく、主治医から制限を受けていなければ、好きな運動や部活を続けることが勧められています。スポーツは側弯症を治す治療ではありませんが、体力や心身の健康を支える大切な時間です。
だからこそ、練習中だけではなく、部活が終わった後の身体も見てほしいと思います。
難しい検査は必要ありません。60秒ほどで確認できる3つのポイントを紹介します。
目次
1. 練習後に痛みが出ていないか
最初に確認するのは、背中や腰、首、股関節などに痛みが出ていないかです。
練習中は集中していて気づかなくても、帰宅して身体が落ち着いてから痛みを感じることがあります。
一度だけ軽く張った程度で、すぐに落ち着くなら、必ずしも大きな問題とは限りません。
ただし、
– 毎回ほぼ同じ場所が痛む
– 練習後から翌朝まで痛みが残る
– 以前より痛みが強くなっている
– 休んでも改善しない
– 痛みでフォームや歩き方が変わる
という場合は、一度立ち止まって確認した方がよいでしょう。
「側弯症だから痛い」と最初から決めつけないことも大切です。成長期のスポーツでは、筋肉や関節の使い過ぎ、けがなど、側弯症とは別の原因で痛みが出ることもあります。
痛む場所、いつから出たか、どの動きで痛むかを簡単に記録し、繰り返す場合は整形外科やスポーツ整形へ相談してください。
2. 片側だけ強く張っていないか
次に確認したいのが、左右の疲れ方です。
野球、テニス、バドミントンなど、同じ方向への回旋や片腕の動きが多い競技では、左右で筋肉の使われ方が違うことがあります。
ただし、片側動作が多い競技をしたから側弯症になる、あるいは必ず進行するとは言えません。
見たいのは、競技名ではなく、その子の身体にどのような反応が出ているかです。
– いつも右の腰だけ張る
– 片方の肩だけ重い
– 片側の股関節だけ詰まる
– 一方の脚だけ疲れが強い
– 深呼吸すると片側の背中がつらい
といったサインが何度も続いていないかを確認します。
強く押したり、無理に左右を同じにしようとしたりする必要はありません。
「今日は右の背中が疲れているな」と気づくだけで十分です。その記録が、練習量、フォーム、休養、運動内容を見直す材料になります。
3. 立ち方や歩き方が練習前と変わっていないか
最後は、力を抜いて立ち、数歩歩いてみます。
疲労が強い時は、普段は目立たない身体の使い方が出ることがあります。
– 身体がいつもより大きく片側へ傾く
– 片足にばかり体重を乗せる
– 片方の脚を引きずるように歩く
– 一方の肩だけ大きく上がる
– 歩幅や足音が左右で極端に違う
といった変化がないかを見ます。
この時、「真っすぐ立って」「きれいに歩いて」と指示しすぎないでください。姿勢を作らせると、普段の変化が分かりにくくなります。
練習前と比べてどうか、少し休むと元へ戻るかを見ることが大切です。
60秒チェックのやり方
毎回細かく採点する必要はありません。
次の順番で、短く確認します。
1. 「痛いところはある?」と聞く
2. 「左右どちらかだけ張っていない?」と聞く
3. 自然に立ち、5〜10歩ほど歩く様子を見る
これだけです。
大切なのは、一日の小さな違いを問題にすることではなく、**同じサインが繰り返していないか**を見ることです。
本人が監視されているように感じると、身体のことを話しにくくなる場合があります。
「姿勢が悪い」
「また右に傾いている」
と注意するより、
「今日の身体はどんな感じ?」
と聞くくらいの温度感で十分です。
同じサインが続いた時に見直したいこと
痛みや片側の張り、動きの変化が続く場合は、次の点を整理します。
– 練習時間や強度が急に増えていないか
– 休養日が取れているか
– 同じ動きだけを繰り返していないか
– 睡眠時間が減っていないか
– 食事量や水分が足りているか
– 靴や装具が身体に合っているか
– 医師からの活動制限に反していないか
すぐに部活を辞めるか、我慢して続けるかの二択ではありません。
練習量を一時的に調整する、指導者へ相談する、フォームを確認する、医療機関でけがの有無を調べるなど、状況に合わせて考えます。
自己判断で続けず、医療機関へ相談したいサイン
次のような場合は、セルフケアだけで様子を見続けないでください。
– 強い痛み、または徐々に悪化する痛み
– 転倒や接触の後から続く痛み
– 脚や腕のしびれ、力の入りにくさ
– 歩き方が戻らない、脚を引きずる
– 夜間も続く痛み
– 息苦しさや胸痛
– 排尿や排便の異常
– 発熱や体重減少を伴う
急な麻痺、排尿・排便障害、強い呼吸困難などは、早急な医療対応が必要になる場合があります。
装具治療中や手術後の場合は、スポーツの内容や復帰時期について必ず主治医へ確認してください。
側弯症だからスポーツを奪わない
部活は、子どもにとって身体を動かすだけの時間ではありません。
友達と過ごす場所であり、目標を持ったり、自信を育てたりする時間でもあります。
側弯症だから一律に禁止するのではなく、今の身体でどう続けるかを考える。
そのために、部活後の60秒チェックを使ってください。
痛みがないか。
片側だけ強く張っていないか。
立ち方や歩き方が変わっていないか。
同じ変化が続くなら、早めに相談する。それだけでも、身体との付き合い方は変わります。
伊丹市で側弯症と部活動についてお悩みの方へ
兵庫県伊丹市のいたみいろどり整体院では、整形外科で側弯症と診断された子どもや経過観察中の方について、背骨だけでなく、呼吸、胸郭、骨盤、股関節、足元、立ち方、歩き方などを確認しています。
ただし、整体院で側弯症の進行、スポーツの可否、装具や手術後の復帰時期を判断することはできません。痛みやしびれがある場合、主治医から制限を受けている場合は、医療機関の判断を優先してください。
当院の側弯症に対する考え方は、[側弯症施術ページ] (https://itami-irodori-seitai.com/scoliosis_method/)でもご案内しています。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の運動制限、練習量、装具着用、競技復帰については主治医へご相談ください。
### 参考資料
– [Scoliosis Research Society「Living with Scoliosis」](https://www.srs.org/Patients/Diagnosis-And-Treatment/Living-with-Scoliosis)
– [Scoliosis Research Society「Adolescent Idiopathic Scoliosis」](https://www.srs.org/Patients/Conditions/Scoliosis/Idiopathic-Scoliosis)
– [日本整形外科学会「側弯症」](https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/scoliosis.html)
– [2016 SOSORT guidelines](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5795289/)
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