成長期の側弯症で、医師からコルセットを勧められた。
親御さんからすると、
「着ければ背骨は真っすぐになるの?」
「毎日頑張っているのに、角度がゼロにならないのは失敗?」
と気になると思います。
最初に知っておいてほしいのは、側弯症のコルセットは、一般的に**曲がった背骨を完全に真っすぐ治すことを約束する道具ではない**ということです。
成長が残っていて、カーブが進む可能性がある思春期特発性側弯症では、装具療法が大切な治療の一つになります。ただし、軽いカーブでは経過観察、角度や症状によっては手術が検討されることもあり、すべての側弯症でコルセットが第一選択になるわけではありません。
大切なのは、今のCobb角、成長の残り、進行の有無などを確認し、その子に装具の適応があるかを整形外科で判断してもらうことです。
目次
コルセットの主な目的は「進行を抑えること」
成長期の側弯症に対する装具療法の大きな目的は、カーブがさらに進むのをできるだけ抑え、手術が検討される角度まで進行するリスクを下げることです。
装具を着けた状態では、レントゲン上の角度が小さく見えることがあります。しかし、これは装具によって身体に矯正力が加わっている状態です。
装具を外した後も、その角度がそのまま残るとは限りません。
そのため、
– コルセットを着ければ必ず真っすぐになる
– 数か月でカーブがなくなる
– 装具を着けていれば進行が必ず止まる
と考えるのは少し違います。
一方で、装具療法には進行を抑える効果が認められています。代表的なBrAIST研究では、進行リスクのある思春期特発性側弯症において、経過観察のみの群より装具群の方が治療成功率が高く、装着時間が長いほど効果が高い傾向も示されました。
「完全に真っすぐにならなかったから意味がなかった」のではありません。成長期を大きく進行せずに乗り越えること自体が、装具治療の重要な成果です。
装着時間は自己判断で減らさない
コルセットの種類や必要な装着時間は、カーブの大きさや場所、年齢、骨の成熟度、進行リスクなどによって変わります。
「友達は夜だけだから、自分も夜だけでいい」
「痛くない日は外しても大丈夫」
とは限りません。
装具療法では、医師から指示された時間をできる範囲で守ることが大切です。学校行事、体育、部活、入浴などで困ることがあれば、黙って外す時間を増やすのではなく、主治医や義肢装具士へ相談してください。
また、装着できなかった日があっても、本人を責めるだけでは続きません。
なぜ着けにくかったのか。
暑さなのか、痛みなのか、学校での視線なのか、服装の問題なのか。
理由を一緒に整理し、続けられる方法を治療チームと考えることが大切です。
装着時間だけでなく確認したいこと
決められた時間を守ることに加えて、装具が現在の身体に合っているかも確認します。
成長期の子どもは、数か月でも身長や体形が変わります。以前は合っていた装具が、きつくなったり、逆に緩くなったりすることがあります。
次のような変化があれば、次回受診まで我慢せず、医師や義肢装具士へ相談してください。
– 強い痛みやしびれが出る
– 皮膚の赤みが長く残る、傷になる
– 息苦しさが強い
– 装具がずれる、極端に緩くなった
– 成長して締められなくなった
– 以前より身体の傾きが目立つ
装具には圧が必要ですが、「痛いほど効いている」という意味ではありません。自己判断で削る、曲げる、パッドの位置を変えるといった調整は避けてください。
定期的なレントゲンと経過観察を続ける
装具を着け始めたら、それで治療が完了するわけではありません。
医療機関では、装具の中でどの程度補正されているか、装具を外した状態でカーブがどう変化しているか、成長がどのくらい残っているかなどを確認します。
診察時には、次の内容を記録しておくと経過を整理しやすくなります。
– レントゲンの撮影日とCobb角
– 身長の変化
– 装具を始めた時期
– 医師から指示された装着時間
– 実際に装着できた時間
– 痛み、皮膚、息苦しさなどの困りごと
– 次回の受診日
経過観察は、ただ待つことではありません。装具が今の身体に合っているか、治療方針を調整する必要がないかを確認する時間です。
コルセットを着けていない時間の身体も見る
装具療法が必要な子どもにとって、コルセットは治療の中心です。
そのうえで、装具を外している時間の身体の使い方や、全身の健康も大切です。
– 呼吸する時に肩ばかり上がっていないか
– 胸郭や股関節が動きにくくなっていないか
– 痛みなく歩いたり運動したりできているか
– 睡眠や食事が大きく崩れていないか
– 装具への不安やストレスを抱え込んでいないか
ただし、一般的なストレッチや筋トレが装具の代わりになるわけではありません。
側弯症に特化した運動を行う場合は、カーブの形や成長段階に合わせて個別に選ぶ必要があります。自己流で身体を強くねじる、痛みを我慢して伸ばすといった運動は避け、主治医や側弯症の運動療法に詳しい専門家へ相談してください。
「装具か運動か」の二択ではありません
装具療法と運動は、役割が違います。
装具の適応がある側弯症では、運動だけに置き換えないことが大切です。一方、装具を着けているからといって、日常の活動をすべてやめる必要があるとも限りません。
医師から制限を受けていなければ、体育や部活を続けられる場合もあります。
必要な医療を受けながら、体力、呼吸、関節の動き、睡眠、食事、本人の気持ちも一緒に整える。
装具だけにすべてを任せるのでも、装具を避けて別の方法だけに頼るのでもなく、役割を分けて考えましょう。
伊丹市で側弯症の身体の使い方が気になる方へ
兵庫県伊丹市のいたみいろどり整体院では、整形外科で側弯症と診断された方や、コルセット治療・経過観察中の子どもについて、呼吸、胸郭、骨盤、股関節、足元、日常動作などを確認しています。
ただし、整体院ではコルセットの適応、装着時間、治療終了の時期、進行の有無を判断できません。また、整体や一般的な運動が装具療法の代わりになるものでもありません。
医師から装具を指示されている場合は、その方針を優先してください。
当院の側弯症に対する考え方は、
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[いたみいろどり整体院 公式LINE] (https://lin.ee/8sIgL2j)※本記事は一般的な情報提供を目的としています。装具の適応、種類、装着時間、運動制限、レントゲンの時期は、必ず主治医の指示に従ってください。
### 参考資料
– [日本整形外科学会「側弯症」](https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/scoliosis.html)
– [日本整形外科学会「側弯症の治療装具」](https://www.joa.or.jp/public/sick/pdf/MO1011BKA.pdf)
– [Scoliosis Research Society「Bracing」](https://www.srs.org/Patients/Diagnosis-And-Treatment/Bracing)
– [Weinstein SL, et al. Effects of Bracing in Adolescents with Idiopathic Scoliosis.](https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1307337)
– [2016 SOSORT guidelines](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5795289/)
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