「足元が崩れると腰が痛くなる?骨盤と“足のゆがみ”の関係」
腰が痛いと、つい「腰に原因があるのでは?」と思ってしまいますが、実は腰痛の原因は、もっと“下の方”から始まっていることがあります。
そう、足元です。
特に多いのが、「オーバープロネーション」と呼ばれる足の使い方のクセです。
これは、歩くときや立っているときに、足の内側(特に土踏まず)が過剰につぶれて、足首が内側に倒れ込んでしまう状態をいいます。
この足の倒れこみがあると、まず「脚全体のバランス」が崩れます。
膝が内側にねじれ、太ももが内旋し、やがて骨盤にもねじれが生じてしまいます。
その骨盤のゆがみや傾きが、結果として「腰への不安定さ」「筋肉のかばい動作」につながるのです。
人間の体は、重力の下で常に“足元からの積み重ね”で姿勢を保っています。
家で言えば「基礎」や「地面」がぐらついていれば、その上にある建物(=腰や背骨)もグラグラしてしまいますよね。
実際にオーバープロネーションがある方は、
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靴の内側ばかりがすり減っている
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立っているときに足の内側に体重がかかっている
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土踏まずが潰れてベタ足になっている
といった特徴が見られます。
こうした足の崩れにより、骨盤は左右非対称な力を受け続け、それを支える腰の筋肉が常にがんばることになります。
このような状態が続けば、当然腰には慢性的な負担が蓄積され、やがて痛みとして表れてしまうのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
まずは、自分の足の状態に気づくことが第一歩です。
・土踏まずが潰れていないか?
・足の指がしっかり使えているか?
・立ったときに、かかと・小指・親指の3点で体を支えられているか?
こういった観察を通して、「足元から姿勢を整える意識」を持つだけでも腰の負担は確実に変わっていきます。
当院では、骨盤や背骨だけでなく、足部の動きや着地のクセまで丁寧にチェックしています。
施術では、必要であれば足のアーチや足底筋の働きを整えるサポートや、インソールの提案なども行っています。
「腰だけ見ても改善しない」
それは、体の“下からの崩れ”を見逃しているからかもしれません。
腰痛でお悩みの方こそ、足元から整える視点を持ってみてください。
明日は、「呼吸と腰痛の意外な関係」についてお伝えします。